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土曜日研修(中川室スタッフ)〈東京本社〉

2023/4/1

こんにちは。

 

三輪設計では二か月に一度、月初めの土曜日に社員研修を行っています。毎回様々な企画が催されていますが、今回は社外に出て展覧会鑑賞と建築物見学会が行われました。

 

展覧会は、国立現代建築資料館で開催されている「原広司 建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-」です。隣接する旧岩崎邸庭園も併せて見学をしてきました。

 

 

残念ながら旧岩崎邸は、週末は館内撮影不可ということで写真が無いのですが、コンドル設計の濃密な洋館、意外とさっぱり?の和館、などを見学しました。和館にはお茶席があり、お抹茶セットをいただくことができるようです。今回は時間の関係上、いただけませんでしたが、和菓子好きの私としては是非次回行きたいと思います。下の写真は庭園内のある場所にあるガラスなのですが、何だか分かるでしょうか。

 

 

これは、洋館と撞球室(ビリヤード場)を繋ぐ地下通路の明かり取りです。この地下通路は見学不可なのですが、個人的にはこの通路が一番興味がありました。タイル張りで緩くカーブした空間のようで、とても美しいのではないかと勝手に想像していました。

 

 

原広司展は、非常に良い展覧会でした。

 

原さんの初期の頃からの手書き図面が展示されており、それが非常に美しかったです。

今は図面は全てCADですから、本当に久々に手書き図面を見ました。線の一本一本の意味がおそらくCADとは違うのだろう、作られる建築物も変わってくるのだろう、などと考えながら手書き図面に見とれていました。私以外にも、やはり手書き図面を凝視する観覧者が多くいたように思います。

 

 

 

続いて、場所を移し、内藤廣さん設計の紀尾井清堂に行ってきました。

 

この建築は内藤さんが施主から自由に作って良いと言われた建物であり、「機能が無くて価値のあるもの」として設計したそうです。機能最優先となるマンションを普段設計している私にとってはその違いは非常に大きいものですが、双方とも現代において価値のある建築だと私は思いました。さて、この紀尾井清堂は立方体のコンクリートの空間頂部にHPシェルのトップライトをもつ極めてシンプルで力強い空間です。

 

 

こうした幾何学的な抽象度の高い空間構成はマンション設計ではなかなか難しいですが、少しでも参考にして取り入れられたらと思う、心地の良い空間でした。

DPGによるガラスのカーテンウォールやPC梁なども、参考になりました。

 

 

今回の土曜研修は、充実したものでした。

まだまだ寒い日が続きますが、皆様も、たまには建築見学に行ってみるのも良いのではないでしょうか。